2018年02月: まさ爺が今までに学んできた思い出を辿る

2018年02月21日

隔離病棟での生活が始まる

5月22日朝五時に起きる（検温　採血　体温３８．１度）

保健所から派遣された渡辺さんから新聞を買ってきてもらい岐阜版を見ますと　今年初めての腸チフス患者発生（47歳　サービス業）私は6月8日が誕生日ですから　まだ47歳か、家内が面会に来ました。　

ガラス越しの面会　服役者の心境でした。

頼んでおいた本を20冊おいてすぐに帰りましたが一日が長いし、やることがないので今までのことを記録に残していこうとメモをとりました。

私は吉田松陰の書物を読んでいましたから　二年数ヶ月の牢獄でじっと耐え　書物を読み　行く末の教えを考えていたのです。

今日は洗濯をしましたが　洗濯物にクレゾールを入れて洗濯機で洗うのですがこれが臭いのなんのたまりません。

夜になると看護婦さんが二人部屋に来ます。　いろいろと話を聞いてもらいました。

今までの体験　自分が歩んできた道など　昨日も今日もきれいな看護婦さんばかりで白衣の天使という感じに見えました。

しかし毎日人が変わるのはあまりいい気持ちになれません。

5月23日　5時45分に起きる　（検尿　検便　採血2回　体温37度　）

5月21日の採血でチフス菌が見つかったとのこと　クロマイという薬を飲む　チフス菌が体内にいるというのは嫌なものです。

一人でいると　寂しい　虚しい　頑張るより仕方がない　地元でみんなが噂」をしているのが聞こえてくるようだ・・・・いまだに咳が酷い

午後家内が面会に来る　家内には随分と苦労をかけていると思うと涙が出てくる。

差し入れはコーヒーセットと国語辞典　病院での食事はあまりにも情けない　一人だけの為使い捨ての器　箸も割り箸　クレゾールの臭いで食欲が湧かない　クロマイを飲むようになって通じが悪い、先生に話して下剤をもらう

今日の当番看護婦さんは若すぎて話ができない・・・・

隔離病棟の体験なんてなかなかできるものではありません。
日本で17人目、岐阜県で初めてだとか、この際この体験を意義ある学びの場にしたいと思いました。

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posted by まさ爺 at 15:16| 備忘録 |

衝撃の報告

平成3年5月20日　高熱も治まり、精神的にも安定してきて、2ｹ月間の入院生活も終わったと思っていました。

ところが担当の先生から、言いにくそうな感じで、実は5月2日の採決で腸チフス菌が見つかったので、これから隔離病棟に行ってもらいます。

この言葉に今さらなんでというショックを受けました。

隔離病棟から迎えの車が来て、それに乗り込みましたが、まるで犯罪者のようでした。
運転手は防菌服にマスク着用でした。

隔離病棟は土岐川沿いの堤防の下にあり、川の水は見えません。
建物は昔の分校みたいなつくりで、窓は鉄格子、出入り口には鍵がかかっています。

今回の入院で実家には多大な迷惑をかけてしまった。

３ケ月の入院となると自分のお客さんにも不自由を与えてしまった。

しかしチフス菌なんて何処で拾ったのだろうか、しかも誰もが感染していない不思議である。
兄もさすがにしびれを切らして、退院をしたら店から出て行ってくれないかと言いだしました。

この言葉が自分にとって最大のチャンスになるきっかけでした。

思えば父の言いなりになり、実家の手助けをしてきたのに、24年間自分なりに頑張ってきました。

48歳になって自分で店を出せと言われて決断のチャンスができたのはこの一言ことでした。

確かに店に迷惑をかけたのも申し訳ないと思っていましたが、何よりも家内の人生も振り回してしまったのです。

独立のためにと思って通いだした、理容学校を途中で辞めて、喫茶店という未知の仕事をやらせ、揚句は転写貼りという仕事で辛い思いをさせて、随分と迷惑をかけてきたと思っています。

今は兄も亡くなり、実家も人口が激減して大変だろうなと思っています。

あの時この隔離病棟の体験がなければ今の自分はなかったと思っています。